オーストラリア郵便公社
            

                ARIS による郵便配達プロセスの高効率化
            

                お客様のご紹介
            

オーストラリア郵便公社は、植民地時代からの郵便事業の引継ぎのために、1901 年に連邦に設立された郵便総局の後継組織です。1975 年に郵便総局が廃止された後、郵便事業機能はオーストラリア郵政委員会に引き継がれました。そして 1989 年、オーストラリア郵政委員会は公有企業として民営化されました。

                課題
            

  • オンラインショッピングの利用が前年比 170% 増加
  • 配達個数の増加と小包サイズの拡大
  • 増加に対処するためのスタッフと機器の不足
  • 旅客便の減少による一部地域への配達遅延

                成果
            

  • プロセスと標準の迅速な共有
  • パレット管理プロセスによるコスト削減
  • 迅速なトレーニングによるプロセスと標準の徹底
  • 安全性コンプライアンスの向上、リスクの軽減
ロゴ

                    「業務の内容、その業務を安全に行う方法、すべてのタスクで使用する機器、私たちはこれらすべての複雑な関係を洗い出すことができます」。
                

– Karen Kirton 氏、オーストラリア郵便公社オペレーショナルエクセレンスおよびオートメーション改善プログラムマネージャー

                ディーゼルエンジンを動かし続ける
            

1809 年にオーストラリア初の郵便局長、Isaac Nichols 氏が任命されましたが、彼の最初の仕事は小包配達でした。彼はシドニーの埠頭に到着した船から手紙と小包を受け取って自宅に持ち帰り、自宅の外に受取人リストを掲示しました。また、「シドニーガジェット」(オーストラリアで最初に印刷された新聞) に、「郵便が届いています」という広告を出して受取人に知らせました。要人の住所には Nichols 氏が直接配達しました。それから 211 年後、オーストラリア郵便公社は、約 7,000 の郵便局と 8 万人の従業員を擁し、オーストラリア国内 1,000 万件の住所に配達サービスを提供しています。2015 年 9 月、同公社は 30 年で初の損失を発表しました。小包配達が総収入の過半数を占めていました。

その 1 年後、同公社は小包/宅配事業の好調な業績とリストラを背景に黒字転換しました。しかし、郵便事業の業績は史上最低の水準に達しました。2020 年の初めに新型コロナウイルス感染症が流行し始めたとき、その影響である配達個数の大幅な増加に対する準備ができていませんでした。ロックダウン期間の前半には、ビクトリア州でオンラインショッピングの利用が前年比 170% に急増しました。2020 年 8 月、郵便局の小包配達個数は 1 日平均 157 万個に達しました。これは 2019 年のブラックフライデー/サイバーマンデーに記録したピーク個数に近い数字です。小包の個数が急増する一方、手紙の配達数は減少していました。また、小包の約 40% が以前と比べてサイズが大きく、重い物でした。

同公社が 3 年後の値として想定していた配達個数にすでに達していましたが、処理センターのスタッフ削減が政府から命じられており、旅客会社による空輸も途絶えていました。同公社は、彼らのネットワークで稼動を継続するために十分な機器や処理能力がないことを認識していました。需要の急増に対応するために、既存のリソースを最大限に活用する必要がありました。

既存リソースの管理

オーストラリア郵便公社オペレーショナルエクセレンスおよびオートメーション改善プログラムマネージャー Karen Kirton 氏は次のように述べています。「当公社はこの事態に迅速に対応し、リソースをより有効に活用しなければなりませんでした。処理サイトを迅速に立ち上げ、システム内の既存情報を活用する必要がありました。新しい従業員が多かったため、仮想エージェントソフトウェアを使用してコードを読み取り、小包を仕分け、処理する方法を教えるために、コミュニケーションをとる必要がありました」。

同公社のユニバーサル・ローディング・デバイス (ULD) はネットワーク内の小包の集荷、輸送、処理を担っていますが、急遽、新しい重要な役割が増えました。これらの手順、およびその他の関連プロセスを正しく管理することが、これまで以上に重要になりました。同公社は次の初期目標を定義しました。

  • 手紙の配達員は小包の配達も行う
  • 需要急増への対応として、18 のパレット処理拠点を展開する
  • プロセスと標準作業手順 (SOP) を従業員に迅速に伝達する
  • ロードエクスプレス事業のパレット管理プロセスを活用する
  • 主要顧客の ULD 注文プロセスを見直し、最適化する
  • 長距離輸送中に ULD を操作し、迅速にトレーニングを展開する

荷物が増え、移動が増えたことは業務リスクの増加につながるため、同公社は安全上のリスクのあるすべてのプロセスと役割を確認できるようにしたいと考えました。従業員が安全に仕事を行うための十分な管理を整備するのです。これらの管理は、従業員が必要とするタイミングや場所で情報が提供されるようにするとともに、コンプライアンスをチェックすることを目的としていました。

効率的で優れた郵便配達プロセス

移行に対処するために、エンタープライズ安全チームは、プロセスリポジトリを活用し、多くの小包施設全体の標準作業手順を「リーン」(改善) プログラムとして見直すことにしました。この改善安全活動では、既存のプロセスリポジトリを安全性と運用効率を考慮する設計基盤として利用しました。

オーストラリア郵便公社は、モバイル技術 (QR コード) やドキュメント管理など、プロセス品質確保のための一元管理リポジトリを構築するために Software AG の ARIS を選択しました。同公社は、すべての業務リスクをカタログ化し、リポジトリに保存しています。このリポジトリで、リスクのあるプロセスと役割を確認し、コンプライアンスを適切にコントロールできるようにします。ARIS のプロセスリポジトリに、エンタープライズ安全チームのすべての安全作業手順を保持します。

ULD からパレットへの移動では、作業員はフォークリフトなどの重機を使用して作業を行うため、負傷のリスクが高まります。責任者は ARIS の分かりやすいプロセスモデルで、従業員が正しい方法で作業しているかを確認できます。問題がある場合は、QR コードをスキャンし、関連する SOP ドキュメントを開きます。従業員はモバイルデバイス上で詳細手順を確認でき、現場責任者はコンプライアンスをチェックできます。

追跡機器は非常に重要になりました。ULD の需要は高く、本部は ULD がいつどこにあるか、どこにあるべきかを把握する必要がありました。空きがあれば別のジョブにスケジュール割り当てできます。パレットは置き忘れや紛失が発生しがちです。そのためパレットも追跡し、適切な所有者に返却されるようにする必要がありました。そうしない場合、数百万ドルもの損失が生じます。

荷物が施設を通過する流れを理解することで、従業員にとって危険な環境や配達遅延を生じさせるボトルネックや渋滞箇所を特定できます。オーストラリア郵便公社は、必要に応じて機器を補充するためのプロセスとコントロールを確保することで、従業員とフォークリフトの接触のリスクを減らしました。最近の成果の 1 つとして、フォークリフトと人との 3 メートル以内の接近禁止ルールの違反が 98% 減少しました。

Kirton 氏は「必要に迫られるまで誰もプロセスを気にしないものです」と述べています。パンデミックの結果、小包配達個数が増加したために、オーストラリア郵便公社は早急な対応に迫られました。ARIS の使用により、同公社はビジネスをスピードアップし、課題に迅速かつ安全に対応する能力が向上し、現在および将来に向けて効率性も向上しました。

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